Greenery Park

2月.見習いキューピッドの矢

HOMETOP

ハート

vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv

 バレンタインデー当日、キューピッドたちはとても忙しい。

 この日に限らず、キューピッドたちは恋人たちの手助けをするため、世界中を奔走している。だが、バレンタインデーはどこかのお菓子業界の戦略で愛の告白や再確認の日となったため、近年は目が回るような忙しさとなっていた。


 見習いキューピッドの一人であるキューピッド・オミクロンは、自分のノルマを見てため息をついた。
「どうやって十組もカップルを作ればいいのよ? まだ一組見守っているだけなのに」
「直感だな。まあ、街に下りてじっくり人々を観察するんだね」
 通りがかったキューピッド・ラムダは先輩風を吹かせた。
「まあ、君には一年の猶予があるんだから大丈夫さ。じゃあ、今日は忙しいから」
 矢を補充するとラムダはすぐに去って行った。
「観察……ね。……また、グリーナリーの町に行ってみようかな。」


 オミクロンは、軽く羽ばたくと地上へと舞い降りていった。キューピッドの矢を射るべき孤独なハートを見つけ出すために。

 

vvv Fin vvv

by おとなし おっと,Greenery Park 2005/02/14発表,2006/5/15修正

  最後までお付き合いくださって、ありがとうございました。
よろしければ、一言で良いので感想をいただけると嬉しいです。
是非、是非、
掲示板かこちらのメールでお願いします!!

HOME

Original
TOP

inserted by FC2 system